日本で中長期滞在を希望する外国人や、その受け入れを検討している企業・教育機関・家族の方にとって、在留資格認定証明書(COE:Certificate of Eligibility)は欠かせない重要書類です。
- 「在留資格認定証明書ってそもそも何?」
- 「どんな書類を用意すればいいの?」
- 「交付までどのくらい時間がかかるの?」
- 「不許可にならないために気をつけるポイントは?」

この記事では、在留資格認定証明書の基本知識から、申請の流れ・必要書類・審査ポイント・交付後の手続き・費用・よくある質問まで、初めての方でも分かりやすいように解説します。
在留資格認定証明書(COE)とは?
在留資格認定証明書の定義と目的
在留資格認定証明書(COE)は、日本に中長期滞在を希望する外国人が、入国前に日本の入国管理局から発行してもらう証明書です。この証明書は、申請者が日本で行う活動(就労、留学、家族滞在など)が、法務大臣の定める在留資格の条件に適合しているかどうかを、日本入国前に出入国在留管理局(入管)が審査し、「この人は在留資格の条件を満たしています」という事前のお墨付きとして発行する証明書です。
COEを取得することで、ビザ申請や日本入国時の審査がスムーズになり、入国後の在留資格取得も円滑に進みます。
特に3か月を超える滞在を予定している場合は、ほぼ必須の手続きとなります。
COE(Certificate of Eligibility)の基礎知識
COE(Certificate of Eligibility)は、在留資格認定証明書の英語表記で、海外の日本大使館や領事館でビザ申請を行う際に必要となる書類です。
COEがあることで、申請者が日本の在留資格基準を満たしていることが事前に証明され、ビザ発給や入国審査が迅速に進みます。
COEは、申請者本人だけでなく、受け入れ機関(企業、学校、家族など)が代理で申請することも可能です。
また、2023年からは電子化が進み、メールでの受領や海外への転送も可能になりました。
在留資格とビザの違い・関係性
在留資格とビザは混同されがちですが、役割が異なります。
ビザ(査証)は日本への入国許可を得るために海外の日本大使館・領事館で発給されるものです。
一方、在留資格は日本に入国後、どのような活動が許可されるかを定める法的な資格です。
COEは在留資格の取得を前提に発行され、ビザ申請時に提出することで、入国審査やビザ発給がスムーズになります。
つまり、COE→ビザ→在留資格の順で手続きが進みます。
| 項目 | 役割 |
|---|---|
| ビザ(査証) | 日本への入国許可 |
| 在留資格 | 日本での活動内容の許可 |
| COE | 在留資格基準適合の証明 |
在留資格認定証明書の必要書類
共通して必要となる主な書類
在留資格認定証明書の申請には、申請者の状況や目的に応じて様々な書類が必要です。
基本的には、申請書、写真、パスポートの写し、受け入れ機関の書類、活動内容を証明する資料などが求められます。
また、申請する在留資格の種類によって、追加で必要な書類が異なります。
書類の不備や不足があると審査が遅れるため、事前にしっかりと確認しましょう。
- 在留資格認定証明書交付申請書
- 申請者の写真(縦4cm×横3cm、無帽・無背景、3ヶ月以内撮影)
- パスポートの写し
- 受け入れ機関の証明書類(雇用契約書、入学許可書など)
- 活動内容を証明する資料
ケース別:配偶者・留学・家族滞在などの申請書類(一部例)
在留資格認定証明書の申請書類は、申請する在留資格によって大きく異なります。
例えば、配偶者ビザの場合は婚姻証明書や戸籍謄本、家族滞在の場合は家族関係を証明する書類、留学の場合は経費支弁書などが必要です。
それぞれのケースで求められる書類をしっかり確認し、漏れなく準備することが重要です。
| 在留資格の種類 | 必要書類(一部抜粋) |
|---|---|
| 配偶者 | 婚姻証明書、戸籍謄本、写真、質問書 |
| 家族滞在 | 家族関係証明書、在留カード写し |
| 留学 | 経費支弁書、旅券の身分事項ページ |
| 就労 | 雇用契約書、会社案内、職務内容説明書 |
書類準備の注意点・よくある不備
書類準備の際は、記載内容の正確性や最新の情報を反映しているかを必ず確認しましょう。
よくある不備としては、写真の規格違い、記載漏れ、証明書の有効期限切れ、翻訳文の不備などがあります。
また、提出書類はコピーでよいものや、原本の提出が必要なものもあるので案内に従って準備しましょう。
不備があると審査が遅れるため、事前チェックリストを活用するのがおすすめです。
- 写真サイズや背景の規格違い
- 記載漏れや誤記
- 証明書の有効期限切れ
- 翻訳文の不備
- 原本・コピーの提出漏れ
申請手続きの流れと方法【オンライン申請対応】
在留資格認定証明書申請の一般的な流れ
- 在留資格の種類を確認し、必要書類を揃える
- 在留資格認定証明書交付申請書を作成する
- 受け入れ機関や保証人の署名・押印が必要な場合は事前に依頼
- 管轄の出入国在留管理局の窓口に申請書類一式を提出
- ※オンライン申請の場合は、専用システムから提出
- 受付票などを受け取り、控えを保管
- 入管による審査が行われる
- 必要に応じて、追加資料の提出や説明を求められることもある
- 認定されると、在留資格認定証明書が交付される
- 申請者本人のいる海外の国へ、原本または電子データを送付する
- 申請者はCOEを使って現地の日本大使館・領事館でビザ申請を行う
オンライン申請の利用方法とメリット
近年、在留資格認定証明書の申請はオンラインでも可能になっています。
オンライン申請の主な流れ
- 出入国在留管理庁の公式サイトからオンライン申請システムにアクセス
- 利用者情報の登録(ID・パスワードなど)
- 画面の案内に従って必要事項を入力し、書類データをアップロード
- 審査結果や交付情報がシステム上またはメールで通知される
オンライン申請のメリット
- 入管窓口に出向く必要がなく、24時間いつでも申請可能
- 書類の不備があった場合でも、データを修正して再提出しやすい
- 在留資格認定証明書を電子メールで受け取り、メールで海外へ転送できる。
行政書士への依頼ケース
在留資格認定証明書の申請は、本人だけでなく、行政書士などの専門家が代理で行うことも可能です。
特に書類作成や手続きに不安がある場合、行政書士に依頼することで、書類の不備やミスを防ぎ、スムーズな申請が期待できます。
また、企業や学校が外国人を受け入れる場合は、担当者がまとめて申請するケースも多いです。
代理申請を利用する際は、信頼できる専門家を選ぶことが重要です。
在留資格認定証明書の記入例・記載例で分かりやすく解説
申請書フォームの記載例とポイント
在留資格認定証明書の申請書は、正確かつ丁寧に記入することが重要です。
氏名や生年月日、国籍、滞在予定期間、活動内容など、すべての項目を漏れなく記載しましょう。
特に、活動内容や受け入れ機関の情報は、審査のポイントとなるため、具体的かつ分かりやすく記載することが求められます。
記入例を参考にしながら、誤字脱字や記載漏れがないか最終確認を行いましょう。
- 全項目を正確に記入
- 活動内容は具体的に
- 受け入れ機関情報の正確性
- 記載漏れ・誤字脱字のチェック
英語での記載および翻訳時の注意点
申請書や添付書類の一部は英語で記載する場合があります。
また、外国語の証明書類は日本語訳を添付する必要があります。
翻訳時は、内容が正確に伝わるよう、専門用語や固有名詞の訳し間違いに注意しましょう。
翻訳文には翻訳者の署名や連絡先を記載することが求められる場合もあります。
不明点がある場合は、専門家に相談するのがおすすめです。
- 英語記載は正確に
- 日本語訳の添付が必要
- 翻訳者情報の記載
- 専門家への相談も有効
提出時によくある記入ミスと対策
申請書提出時によくあるミスには、記載漏れ、誤字脱字、写真の規格違い、日付の誤記などがあります。
また、申請者情報とパスポート情報が一致していない場合も審査で問題となります。
提出前には必ずダブルチェックを行い、第三者に確認してもらうのも効果的です。
- 記載漏れ・誤字脱字の確認
- 写真規格の再確認
- 日付・氏名の一致
- 第三者によるチェック
交付までの期間と審査のポイント
交付までにかかる期間の目安とケース別例
在留資格認定証明書の交付までにかかる期間は、通常1~3か月程度が目安です。
ただし、申請内容や混雑状況、追加書類の有無によって前後することがあります。
代表的な在留資格ごとの目安は、以下のとおりです。
| 在留資格の種類 | 交付までの目安期間 |
|---|---|
| 就労・留学 | 約1か月半~2か月程度 |
| 配偶者・家族滞在 | 約2~2か月半程度 |
| 短期滞在 | 対象外(認定証明書は不要) |
※あくまで目安であり、書類の不備・追加資料の要否・過去の在留状況などによって前後します
審査で重視されるポイントと不許可となりやすいケース
審査では、主に次の点が重視されます。
- 活動内容が、申請する在留資格の基準に適合しているか
- 提出書類の内容が正確で、虚偽や矛盾がないか
- 申請者の過去の在留歴・在留状況や、入管法違反歴がないか
- 経費支弁能力(生活費や学費の支払い能力)が十分か
不許可となりやすい主なケース
- 書類の不備や矛盾が多く、説明が不足している
- 過去に不法残留や違反歴がある
- 経費支弁能力を示す資料が不足している
- 配偶者ビザなどで、婚姻の実態が疑われる事情がある
申請状況の確認・問合せ方法
出入国在留管理局では、個別の申請ごとの「審査がどこまで進んでいるか」「いつ結果が出るか」といった途中経過は、基本的に回答されません。問い合わせが多くなるほど電話がつながりにくくなり、審査自体にも遅れが生じるため、進捗確認のみを目的とした連絡は控えるよう案内されています。
審査が終わると、入管からハガキやメールで必ず通知されます。審査が完了すると、入管からハガキ・メール・行政書士への連絡など、いずれかの方法で結果が届きます。連絡がない間は審査中であり、
「連絡がない=不許可」ではありません。必要以上に心配しすぎず、通知を待つことが大切です。
交付後の対応と有効期限・注意点
交付後にすべきこと・必要な手続き
在留資格認定証明書が交付されたら、まずは速やかに申請者本人へ証明書を送付しましょう。
申請者は、現地の日本大使館や領事館でビザ申請を行い、ビザが発給された後に日本へ入国します。
入国時には、在留資格認定証明書とビザを提示し、空港で上陸審査を受けます。
入国後は、在留カードの受け取りや住民登録など、必要な手続きを忘れずに行いましょう。
これらの手続きを円滑に進めることで、日本での生活をスムーズにスタートできます。
- 証明書の本人送付
- ビザ申請・取得
- 日本入国・上陸審査
- 在留カード受領・住民登録
有効期限・失効時の対応方法
在留資格認定証明書には有効期限があり、原則として交付日から3か月以内に日本へ入国しなければなりません。
この期間を過ぎると証明書は失効し、再度申請が必要となります。
失効を防ぐためにも、スケジュール管理を徹底し、余裕を持った計画を立てることが大切です。
- 有効期限は3か月
- 期限切れは再申請が必要
- 入国遅延時は早めに相談
在留資格認定証明書取得費用と費用を抑えるコツ
申請・発行にかかる費用の内訳
在留資格認定証明書の申請そのものについては、入管への申請手数料はかからないのが一般的です。ただし、次のような実費が発生します。
| 費用項目 | 目安 |
|---|---|
| 申請手数料(入管) | 無料 |
| 写真代・郵送費・コピー代など | 数百円〜 |
| 翻訳費用(必要な場合) | 数千円〜数万円程度(量・内容による) |
| 行政書士への報酬(依頼した場合) | 事務所・在留資格の種類により異なる |
無料で活用できる支援サービス
在留資格認定証明書の申請にあたっては、無料で利用できる公的な支援サービスも充実しています。
出入国在留管理局の相談窓口や、自治体の外国人相談センターなどです。
これらのサービスを活用することで、費用を抑えつつ、正確な情報やアドバイスを得ることができます。
困ったときは積極的に相談しましょう。
- 入管の相談窓口
- 自治体の外国人相談センター
- 大学・企業の国際交流窓口
行政書士依頼時の費用と選び方
行政書士に在留資格認定証明書の申請を依頼する場合、報酬額は事務所や在留資格の種類、案件の複雑さによって異なります。
選ぶ際のチェックポイント
- 入管業務(在留資格申請)の実績がどの程度あるか
- 料金体系が明確か(成功報酬・着手金など)
- メールやオンラインでの相談・進捗報告に対応しているか
- 口コミや紹介など、信頼できる評判があるか
単に「一番安い事務所」を選ぶのではなく、サポート内容・説明の分かりやすさ・相性も含めて総合的に判断すると安心です。
よくある質問Q&A
- 在留資格認定証明書が不許可になった場合、再申請はできますか?
不許可になった場合でも、内容や理由によっては再申請が可能です。
ただし、同じ内容で再度申請しても結果が変わらない可能性が高いため、- 書類の不足や説明の不足があれば補強する
- 専門家に内容をチェックしてもらう
などの対策を取ってから再申請することをおすすめします。
- 在留資格認定証明書の審査が長引いているように感じます。入管に電話してもいいですか?
原則として、審査の途中経過や具体的な進行状況は教えてもらえません。
問い合わせが多くなると電話がつながりにくくなり、事務処理にも負担がかかるため、入管としても「進捗確認のみを目的とした連絡は控えてほしい」と案内しています。
- 短期滞在ビザでも在留資格認定証明書は必要ですか?
一般的な観光・短期出張などの短期滞在ビザ(90日以内)については、在留資格認定証明書は利用しない運用となっています。
まとめ|在留資格認定証明書(COE)をスムーズに取得するために
在留資格認定証明書は、日本で中長期滞在をする外国人にとって、ビザ申請と入国をスムーズに進めるための重要な第一歩です。
この記事で解説したポイントを整理すると、
- 在留資格認定証明書は「在留資格の基準を満たしていることの事前証明」
- 必要書類は在留資格の種類ごとに異なり、書類の不備・矛盾は不許可リスクにつながる
- 申請は、窓口・オンライン・代理申請(行政書士)など複数の方法がある
- 審査期間は一般的に1〜3か月程度で、途中経過は原則として案内されない
- 交付後は、ビザ申請 → 入国 → 在留カード受領・住民登録と進める
- 在留資格認定証明書の有効期限(原則3か月)と失効に注意する
ということになります。「書類の準備や記載に不安がある」「過去に不許可になったことがある」「案件が少し複雑かもしれない」と感じる場合は、早めに専門家へ相談することも、スムーズな在留資格取得につながります